【日銀利上げ】それで結局、金利って何なのか?

若手銀行員向け

2025年12月19日、日銀が政策金利を引き上げ、約30年ぶりの水準となる0.75%に決定しました。

この記事では、今回のニュースをきっかけに「金利って何?」と感じている人のために、金利の本質から整理します。

金利の本質は、実はとてもシンプルなものです。

今回の利上げニュースを理解するためにも、まずは金利の正体から明らかにしていきましょう。

この記事を書いた人
とんぱち

30代、一児の父の銀行員。日本証券アナリスト協会検定会員。
本業の他、ブログ運営やwebライターとしても活動。
銀行員として1,000社を担当し、2,000名以上の経営者と接した経験をもとに、金融知識や勉強法について情報を発信しています!

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【結論】金利とは「お金の価値が下がるスピード」を示す数字

1. お金の価値は目減りする

結論から言えば金利とは、
「1年経つと、お金の価値がどれくらい目減りするか」を表した数字です。

そもそも論として、将来のお金よりも現在のお金の方が価値が高いのです。

例えば、次の3つを比べてみてください。

  1. 今すぐ100万円をもらう
  2. 1年後に100万円をもらう
  3. 10年後に100万円をもらう

金額は同じでも、多くの人は無意識に
「今もらえる方が良い」と感じるはずです。

言い換えれば、遠い未来になればなるほどお金の価値は下がります

では、なぜ将来のお金の価値は目減りするのでしょうか?

2. 価値の差を作る3つの要素

今のお金の方が価値が高い理由は、ざっくりと以下の3点です。

・流動性選好(現金こそ至高)
・物価の上昇
・運用機会確保


要約すると、

みんな現金を一番信用していて、
値段が上がる前に買い物をしたくて、
目の前にお金があれば投資でお金を増やせる

と、考えているからです。

言われてみれば当たり前なのですが、
今のお金と将来のお金の魅力の差を調整しているのが「金利」とも言えます。

金利ってどう決まるの?

1. 需給バランスによって決まる

金利も他の取引同様、需要と供給のバランスによって決まります。

実際の取引を、具体例で考えてみましょう。

「あなたの友人が、1年後に100円もらえる権利を売ってきたとします。」

Q. この権利を何円で買いますか?

この取引で成立した金額で金利が決まります。

例えば、あなたが99円で買うとします。

すると、
今の99円=1年後の100円という計算式が成り立ちます。

(100円÷99円)-1≒1%ということで、
この場合の金利は1%になります。

2. 需給バランス以外の要素は?

先ほど、需給のバランスによって金利が決まることについて述べました。

とは言え、取引には相場というものがあります。

その相場を誘導しているのが日銀です。

具体的に何をしているのかと言うと、
銀行自身が持っている日銀への預金の金利を操作しています。

私たちは銀行に預金口座を持っていると思います。

では、銀行はどこに預金しているのか?
答えは日銀に預金をしています。

「政策金利」とは、銀行が日銀に預けている金利のことなのです。

では、政策金利の変更によって、どのようなメカニズムで市場金利が変動するのでしょうか?

3. 政策金利が上がるとどうなるか?

一般的に、我々が銀行に預けた時につく利息は、政策金利よりも低いです。

つまり、銀行側は預金者からお金を預かるだけで政策金利と我々に支払う金利の差分だけ儲かります。

では、金利が上がると何が起こるでしょうか?

銀行が我々からお金を預かるだけの場合と、
そのお金を他の個人や法人に融資した場合を考えてみましょう。

A. 預金を預かりっぱなしの場合
→預金者のお金を、貸し倒れのない(リスクフリーの)日銀に預けているだけで儲かる。

B. 別の先に融資する場合
→日銀に預けているだけで儲かるため、わざわざリスクの高い融資をする意義が薄れる。

これによって、銀行の貸出金利が上昇します。
また、預金を預かるインセンティブが増すことにより、預金金利上昇→更なる貸出金利上昇が引き起こされます。

皆さんとしては、多少しか預金金利が上がらない割には、マイカーローンや住宅ローンの金利が上がるという現象が起きることになるのです。

では、なぜ日銀は金利を上げるの?

1. 物価を下げるため

前述の通り、金利の本質は「お金の価値の目減りのスピード」です。

金利を上げるということは、
現在のお金の価値と将来のお金の価値の差が開くということ。

つまり、現在のお金の価値が高まるので、少ないお金で多くのものを買えるようになる(=物価が下がる)というメカニズムです。

日銀は「物価の安定」を責務としているため、金利操作を通じて実質的に物価の変動をコントロールしています。

2. 外国為替相場をコントロールするため

為替相場とは、「1ドル155円」のような円と外貨の交換レートのことです。

これが上昇すると、海外からの輸入品(例えばスマホや小麦粉など)が高くなってしまいます。

そのため、金利を上げることで日本円の価値を高め、為替を円高(交換レートを下げる)方向に誘導しています。

なお、為替影響についてはそう単純なものでもないため、詳細は別記事で解説させていただきます。

【まとめ】今回の利上げニュースを見るための、たった一つの視点

今回の日銀利上げを理解するうえで重要なのは、「金利が何%になったか」ではありません。

「現在のお金の価値を、どう変えたか?」という点です。

金利が上がればお金の価値が高まり、モノの値段は下がる。

金利が下がればお金の価値が減少し、モノの値段が上がる。

この教科書を中心に考えながらも、そうでない動きをした際には、どのような要因があるのか。

これを念頭に、今後のお買い物や投資活動に励んでいただければと思います。

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